YOKOTA’s diary

最近はドローン関連が多いですが…ECやデータ解析、3Dプリンタなども。

【第一回 国際ドローン展】日本のドローン市場はこれから!


※お知らせ

ドローン関連のコンテンツはドローン専用メディア「Be into Drone」に移行しました!

drone.beinto.xyz


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無人飛行機「ドローン」に関するハードやソフトウェア、センサーやフライトコントローラーなどの技術やサービス展開する企業が集まった国内初の展示会「国際ドローン展」が5月20日〜22日に幕張メッセで開催され、初日に参加してきました。

初日からすごい人の数。ちょっと若い人は少ない印象(40〜60歳レンジが多い印象)でしたが、初のドローン展示会であり、官邸ドローンや各種規制でホットな話題だけに人気のようで、テレビ関連の方たちが結構いらっしゃる状況でした。

www.jma.or.jp

日本発のドローンベンチャー

今回目を引くドローンはまずはこの2つ。
日本のドローンの第一人者と言われている千葉大学の野波教授が代表を務める「自立制御システム研究所」。放送業界から産業用ドローンを手がけているPRO DRONE。

自立制御システム研究所のミニサーベイヤー

Webでは何度か見たことのあるミニサーベイヤーだが、実物は初めてだった。 f:id:ashyktj:20150521095717p:plain

今回数社でオリジナルの機体を作っていたが、「ミニサーベイヤーのフライトコントローラーを搭載」と記載しているところも幾つかあった。「国内唯一のドローン制御ユニット」ということで期待されている。

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ただ、こうした日進月歩で新しい制御機能や装備が出てくる中で、「国内」に縛られる必要はないし、Dronecodeのようなオープンソースプロジェクトが日本でも積極的に採用されていいのではないかと思いました。

空撮、荷揚げ、調査、有線給電など産業用ドローンPRODRONE

一際、展示ブースがクールな印象だったのがPRODRONEで多くの人だかりができていた。実際の機体もとてもクールで、各種用途に応じたドローンがバリエーション豊富に展示されていました。 f:id:ashyktj:20150521103501p:plain空撮仕様のドローン

f:id:ashyktj:20150521103605p:plain有線給電仕様のドローン。
ある程度限定される範囲のドローン利用は現状は有線でも良いのかもしれないが、有線は邪魔…。PCのLANも昔は有線じゃないと遅かったが現在ストレスなく使えるように、ゆくゆくは近場でも無線に変わっていくのだと思います。

f:id:ashyktj:20150521103451p:plain同じ型+セーフティバージョン
クアッドコプターは1つでもプロペラが止まると墜落してしまうため、それを防止するための措置。

f:id:ashyktj:20150521103457p:plainウィンチがついて荷物の上げ下げができるドローン
こういう手足となるような動作を行えるようになると、利活用出来る幅がぐっと広がる。

f:id:ashyktj:20150521103454p:plainサーモカメラが搭載され、ソーラーパネルなどの異常検知するドローン
ソーラーパネルは異常がある部分が熱くなるのでサーモである程度まで故障部位を絞り込めるとのこと。太陽光の会社の方いわく、実際には人の目でチェックしないと故障判断はできないが、該当箇所を特定するのに効率化されているという。

f:id:ashyktj:20150521103506p:plainドローンを積んでモニターもするバイク!

さすが映像関係ということもあり各種考えられている印象でして、他のブースよりも大盛況のイメージです。展示会で資料を入れるのに重宝される布袋もPRODRONEが提供されていて、展示会場はPRODRONEだらけでした。

大手も続々とドローンビジネスへ

コマツ/SKYCATCH

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SKYCATCHという米ベンチャーのドローン機を利用して工事現場などの精確性が求められる場面で活用されている。

面白いのがGPSや超音波、赤外性といったセンサーでの位置検知するのではなく、予め用意してある地図を読み込んでおき、4隅などをポジション取りをしておく。実際に飛行させたときの映像とマッチングさせて位置を数センチという単位で飛行させることができるとのこと。施工業者によっては、数センチのズレがコストに影響するためこうした精確性は常に求められるという。うまく機体と用途が活用されていると感じました。

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日立マクセル:信頼性の高い日本製リチウムイオン電池パックと無線充電技術

f:id:ashyktj:20150521110622p:plain 一般的にはリチウムポリマーのほうが量産は難しいが安全性が高いとされているが、リチウムイオンを選んだ理由があるのかと思いきや「昔からの(社内の)技術の流れ」とのことでした。。
現在は、各社それぞれのバッテリーが開発されている状態でデファクトがない状況。エンドユーザからすればぜひとも標準化してほしいものだし、無線給電(現在開発中とのこと)も規格バラバラだとそれごとにステーションも用意が必要となる…。

セコム:小型飛行監視ロボット

f:id:ashyktj:20150521110834p:plain ドローンとは別にレーザーセンサーを監視エリアに設置し、レーザーセンサーで検知した不審者や不審人物のもとへドローンが飛んでいき、映像記録しオペレータや警察との各種連携を素早く行い、これまでのセキュリティ品質を上回るサービス提供ができるようになるとのこと。

一つ気になったのが「ドローンの音」。これくらいのサイズになると静かなモーターでもまぁまぁうるさいので、数十メートル離れていても音が聞こえるのでは?不審者が出そうな深夜とかなら特に。これのせいで逆に犯人に気づかれてしまい、逃げられてしまうのではないかなぁと。であれば、これまでの定点カメラのほうが…と思い質問したところ、「音を消すことは検討されていたが技術的に難しいため、今後の展開と考えている」とのこと。うーむ。

他にもいくつか気になったドローン/ドローン活用例

ゼロ社:二つのIMUとパラシュートを搭載し安全飛行を実現。3軸ジンバル通常設備、軽量コンパクト

f:id:ashyktj:20150521112533p:plain パラシュートがついていた展示会では唯一(たぶん)ドローン。機体が70度傾くとパラシュートが開くように設計されているらしい。たしかにパラシュートがあるってだけでとても安心。

システムズエンジニアリング/Aero Testra社/BaySpec社

光学機器や計測器の会社で軽量のハイパースペクトルカメラを展開していたところ、マルチコプターに搭載することで可能性が広がるということで、海外のドローンメーカと組んで展示会を行っているらしい。この「ハイパースペクトルカメラ」というのは、通常は赤・緑・青の3色と黒を用いて表現するところを、2次元の情報に加えてその奥行き(表現があっているか微妙)の濃淡を取得することで、通常のRGB画像では得られない情報が取得できる。何ができるかというと、微妙な濃淡の違いなどを利用して、「農薬散布が行き届いていない箇所の特定」などに利用できるとのこと。

Aeryon Labs

f:id:ashyktj:20150521114716p:plain 映画の宣伝のようなアピールで目を引いたのがAeryon。話を聞くと、通常時はもちろん風速25mは推奨しないけど、15mを超えても安定して動けるという。放熱板がいくつか設置されているので、−30度でも耐えられかつ50分の飛行というこの3点は他より圧倒している部分。もちろん値段も圧倒していたが、用途によっては利用検討が考えられる機体。

ホビー向けドローン

パイオニアのParrot

f:id:ashyktj:20150521115334p:plain ドローンといえばParrotを想像するくらいエンドユーザ向けに一般化された商品ということもありブースやデモも大盛況の様子でした。

ハイテック マルチプレックス ジャパン

f:id:ashyktj:20150521115456p:plain ハイッテクさんでは、ホビーに限定しているわけではないですがこちらに。
展示会と全然関係ないけど、私のお気に入りのRC EYE One Extreamのメインフレームが折れてしまい…修理方法など確認したところ丁寧に教えてもらえました!!笑ありがとうございます。さっそくアマゾンで部品購入して修理です。

ヨコヤマコーポレーション:日本設計のオリジナルドローン、HighOneなど

TEAD?イマイチ、ブランド名が何なのかがよくわからないが、各種ホビー用のドローンが取り揃えられている感じでした。あたっても痛くなさそうな子供でも使えそうなドローンです。ただおもちゃ感は拭えないので、お試しなどに利用でしょうか。
同じ200万画素なら、私はSymaのほうがお勧めですが。

ドローン展示会に参加して、

産業用ドローンの機体については、カメラや保険込みのものが大半だが、だいたい数百万から1000万レベルであるが、40万のDJI Inspire 1や20万のDJI Phantom 3 Professionalとの性能差でいうとそこまでの差があるのかは現時点では私には知識・経験がなく正直不明です。しかし、業務に特化した機能や装備が必要なのは間違いないと感じました。ハードもソフトも日進月歩で利活用する分野もどんどん顕在化して市場も拡大してくので、今後どうなるかますます楽しみです。

今は誰でもドローンを触って楽しめるためおかしな事件もおきていますけど、数年前からドローンに関わっている方たちは、ドローンの活用やドローンによる課題解決をとても真剣に考えられていて、 上記以外の会社さんもお話しさせていただいて大変おもしろい方、優秀な方、まだまだお話聞きたい方がたくさんいらっしゃってドローン業界はやはり熱いなと再認識しました。